去る2017年6月にカタルーニャのプッチダモン首相(当時)はカタルーニャの独立の是非を問う住民投票を行う意向を表明。10月1日に投票が行われ9割もの賛成を集め(投票率は4割)10日には独立宣言に署名。も、宣言を保留した。
その後スペイン中央政府は21日に自治権を停止、州政府は27日に事実上の独立宣言を賛成多数で可決した。
しかし中央政府は州政府幹部を更迭、直接統治に乗り出し独立は阻止された。
では、もしカタルーニャが独立したらフットボールにはどのような影響が出るのだろうか?
今回はそれについて考えていきたいと思う。
代表チーム
現在カタルーニャには「カタルーニャ代表」という自治州の選抜チームが存在しておりつい最近、ジャマイカ代表と試合を行った。
もし独立した場合、カタルーニャ代表はスペイン代表から離脱する可能性が高いと言える。
根拠となるのはかつてのアイルランド代表だ。
かつてアイルランド代表は今の北アイルランドとアイルランドの謂わば「統一アイルランド代表」だった、しかしアイルランドのイギリスからの独立により旧アイルランド代表は北アイルランド代表となり、アイルランド代表は旧アイルランド代表から離脱した。
このことからカタルーニャ代表もかつてのアイルランド代表のような形をとるのではないかと推測できる。
そしてスペイン代表経験のあるカタルーニャの選手は、ユーゴスラビア代表、ソ連代表、コソボ代表のように代表の鞍替えが可能となるだろう。
クラブ
ではクラブチームは今のままラリーガに残り続けることができるのだろうか?
これに関しては実際に独立してみなければ分からないので、いくつか挙げてみる。
その1:ラリーガから離脱し新たにカタルーニャ内のコンペティションに所属する(リーグからの離脱)
まずはラリーガから離脱しカタルーニャリーグに移籍する可能性について考える。
これは旧ユーゴスラビアが解体された際、クラブチームが独立した国家の新リーグへの所属を義務付けられたというのが根拠なのだが、大きなデメリットが存在する。
それはカタルーニャリーグのレベル差が激しくなってしまう、ということ。
現在スペイン1部に参加しているカタルーニャのチームはバルセロナとエスパニョールだけ(多分)であり他のチームは2部以下。となるとリーグ内でのレベルの差が広がってしまうのは確実であり2強リーグになってしまう可能性が高い。
そしてFIFA、UEFAに加盟する必要がある。入らなければCLなどの国際大会に出場することができない。もし入れなければまるでFIFA非加盟の北キプロスリーグのような状態になってしまうのだ。
もし新たにリーグが創設される場合、先にUEFAとFIFAへの加盟を決めてからラリーガから離脱する…その方がいいのではないかと個人的には思う。
その2:ラリーガに残留する
これが一番現実的な選択。というか離脱プランはあまりにも非現実的すぎるし興行的にもそのような高いリスクを取ることはしないだろう。
その3:他国のリーグに参戦する
地理的にはフランスリーグへの参入が一番現実的(非現実寄りの)だが、これはほぼあり得ない。既存のチームは確実に反対するだろうし興行的なメリットがあったとしてもこの選択を取るのはかなり難易度が高い。(中にはプレミアリーグへの参入プランもあるとの報道もあったが100%ありえない。もしセルティックとレンジャーズがPLに移籍するのであればあり得るのかもしれないが)
他にもアメリカにフランチャイズチームを設立し問題が解決するまでMLSでプレーするというプランもあったがこれもありえないので今回は省略。
胸やけがひどいのでこの辺で閉める。
参考文献
カタルーニャ独立運動 – Wikipedia
サッカーカタルーニャ代表 – Wikipedia
カタルーニャ独立がサッカーに与える影響 バルセロナの立場、その後の道のりは? -SportsNavi (2017年9月23日)
北アイルランド代表 – Wikipedia
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